ゴッドの人助け ~チェーンリングの変速ピンを復活させてみる

ゴッドハンド関口がいつものように宴を開き、酒を酌み交わしたり、ポエムを書いたりしていたある日のこと。

 

ふと手元に横たわるバイクに目をやったゴッドハンドが、あることに気づきました。

「このチェーンリング、変速ピンがついてねぇぇえー!」

 

な、なんですって?

 

変速ピン?

 

・・・あ!ホントだ!よくこんなことに気づきましたね!

 

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チェーンリングにぽっかり空いている小さな穴。

本来であれば、ここに変速をサポートする為のちいさな「ぽっち」があるはずなのです。

その小さなピンが、チェーンを引っ掛けることでスムースな変速を実現するのですが、4個中3個が見事に脱落してしまっています。

変速がきれいに決まらないと嘆いていたこのバイクのオーナー。これでは変速するはずがありません。

 

「よし 造ろう」

 

で、出たぁァ!ゴッドハンドの純正パーツ殺しだーッ!!

 

というわけで、右手を挙げ、さっと振り払うゴッドハンド。

先ほどまで繰り広げられていた酒池肉林は霞のように消え、そこには換わりに変速ピンを造るための作業場が広がったのでありました。

 

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「材料を買ってきたぞ!」とゴッドハンドが置いたるは、ステンレスの棒。

いや、造るのはピンですよ?

 

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とおもいきや、早速バイスに棒をセットし、ギコギコと切っていきます。

 

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長さ2cmほどになったステンレス棒。

 

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こちらを、ゴッドマシーン――カーボンアンカーナットを作ったときにもお役立ちの旋盤にセット。

 

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母材はキリキリと音を立てて削れていきます。

 

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カリカリカリカリカリカリ・・・・・

 

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ガリガリガリガリガリガリガリ・・・

 

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おおぉ!なんだかそれっぽい造型の物体が姿を現してるがな!

ふたたびバイスにセットすると、掘り込んであった溝に沿って切り落とします。

 

そして、そして・・・

 

 

 

 

 

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ゴッドハンドの手により、新たなパーツがまたひとつ、世に産声を上げた・・・。

 

関口謹製 チェーンリング変速ピン

 

小さいながらも重要な役割を果たす変速ピン。

機能を果たす部分のみならず、取り付けのための基礎部分まで単一部品から生み出された部品は、合理的な設計にもとづく美しい造型。

 

とはいえ、コレだけで機能する部品でないのはご想像の通り。

正しい部品として機能するために、取付を行いましょう。

 

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変速ピンはアウターリングの裏側に出っ張っていなければなりませんので、裏から差し込みます。

チェーンリングに差し込むための「ぽっち」が見えていますね。コレを・・・

 

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ポンチをつかって固定します。

「ぽっち」の中央に空けられた穴をコンコン叩きます。

 

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押し叩くことで穴の周囲が広がり、チェーンリングとの隙間がぴったり埋まります。

かすがいでカシメられるような要領で固定を行うわけですね。

 

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こうして、無事取り付けが完了した「ゴッドピン」。

純正のピンと変わらないスムースな変速を提供します。

お客様もご満足の出来上がりでございました。

 

 

・・・ちなみに、この話には後日談がございまして、

数日後、お客様のチェーンリングを覗いてみると、ピンが1個脱落してしまっていました。

・・・純正のピンが。

結局、ゴッドハンドは新たなピンを作成し、全てのピンが純正からゴッドピンに置き換わったのでした。

(ていうか、自作のピンより早く抜けちゃうってどんなピンだよ・・・)

 

かくして、「こんなものも自作しちゃうの!?」ってな部品・用品を造り出してしまう、ゴッドハンド・関口。

さてはて、今度はどんなものを世に送り出すのでしょうか・・・。

 

Author:Ishizawa 2011/04/12

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